減衰力アップデート × 小橋正典選手 × 3UP 非現実を現実に

3UPさん依頼のショックアブソーバー試作品が完成。

送り先はモーターランドSP青森。

http://www12.plala.or.jp/monacors2/

といえば、昨年のD1チャンピオン、小橋正典選手。

https://d1gp.co.jp/gp2020ranking/

当社は小橋選手と直接の関係はありません。

あくまで親交が深い3UP三上さんと相談されている延長線上でのこと。

結果的に当社のサスペンションのテストをしていただいております。

レポート動画が、一切の説明無く届きました。

競技経験の無いワタシにはこれがOKだったかどうか判断できない。

少なくとも猛烈な違和感で、バーチャル空間内のゲームを観戦している感覚。

音を消して観ると良くわかりますが、過去のドリフトでは見たことの無い動き。

とりあえず三上さんに電話。

今回の減衰力、小橋選手の評価はどうだったんですか?

「ヤツは先入観を持たさないようにしたいのか、まず説明無しで動画だけ送って来るんです」

大会中も、困ったことがあったときはLINE動画が説明無しで届くそうです(笑)

「撮影時の角度、タイヤ銘柄が不明、ホームグランドであるという不確定要素がありますが…」

三上さんの推測では予想を超えた動きで、本人は相当楽しかったはず、とのことで一安心。

三上さんの減衰力に対する要望は年々エスカレート。

小橋選手のお父様の友人、ショックアブソーバーマイスターを師匠に持つ当社の開発者も四苦八苦。

マシン、ドライバー、タイヤの数年後の進化を先回りしたがる三上さんに振り回されています。

単なる減衰変更では対応できなくなり、今回、秘密兵器のベアリングを仕込んだとのこと。

減衰力は、車高調製作履歴のあるフェラーリ360モデナ純正データがベース。

「逆にどう思いました?」

競技やクルマに無知なワタシの意見にも耳を傾ける三上さん。

クルマゲームの動きに見えたと伝えました

随分進化したゲームですが、現実をすべて再現するには一定の限界。

平らに見えるサーキットの路面も、実際には細かな凹凸、わずかな傾斜が連続。

それによって発生する不確定な変数で、コンマ数秒単位でボディが動くはず。

ところが今回の小橋選手のクルマは、地面から浮いて変数から切り離されたホバークラフトのような動き。

「狙い通りです。人の予測を裏切る動きがドリフトであるとすれば、現時点では最高」

まさにそのゲームのような動きを、低速域の減衰力変更によって狙っていたというのです。

小橋選手を初めとするドリフトの最新世代は生まれたときからゲームに親しんできた世代。

ある時から彼らが、ゲーム画面のカッコイイ挙動、動きを再現したがっていることに気づいたそうです。

そんな人たちに当社サスペンションを定期的にアップデートしてもらうことは本当にありがたい。

ドリフト用サスペンションは究極のオールラウンダー。

この進化が、他のレース用車高調やストリートモデルにも反映されていきます。

特に乗り心地は劇的に改善する可能性が高い。

かといって価格は特に高額なわけではありません。

今回のテスト品も特別に作ったものではなく、ベースは上記の量産車高調。

リアショックのみをSPLバージョンにする場合は、別途減衰力変更代がかかるだけ。

ただし3UPさんの作ったデータは特注扱いの専用品のため、当社は取り扱いしておりません。

それにしてもゲームの進化は凄まじい…

恋愛ゲームやアニメのキャラクターは、想像を絶する魅力。

2次元しか愛せない、という気持ちはワタシも良くわかります。

恋人が居ないひとが7割!

20代男性に至っては、二人に一人が女性経験が無い!

リアルな恋愛は色んな面倒なことがたくさんあり、決して美しいものではない。

サーキットの路面が決して平坦ではないのと同じ。

故に2次元に惹かれてしまう。

旧い世代のワタシは、リアルで泥まみれになりながらここまでやってきました。

ハングオーバーシリーズはコメディというよりは、他人事ではない、と言う気持ちで鑑賞するほど。

観たことない人は見てほしいです。

二日酔いでゾッとする思いをしたことがある人には特に…

泥臭い旧世代がリアルに執着し、若者はオンラインに逃避といわれてきました。

けれど、今、そのどちらでもなく、ゲームをリアルに変えてしまう人たちが出現しつつあります。

ワクワクするじゃないですか。

旧い世代の私たちの仕事は、彼らの良き礎となること。

今週もやる事いっぱいです!